岸先生、世界初の講座について教えてください!
絶対に知りたい“日本酒学”
「日本酒学」とは、日本文化や伝統に根差した日本酒に対象を絞った、世界初の学問領域です。
岸先生インタビュー
Q.日本酒学はいつから始まったの?
2018年4月1日に新潟大学で、日本酒学の構築を目的とした「日本酒学センター」を発足しました。実は、新潟大学では以前から日本酒に関する共同研究が行われてきました。それらをより体系的に学問として研究・教育する拠点を作ろうということで、新潟大学と県酒造組合、醸造試験場(新潟県)が連携協定を結び、センターの開設と日本酒学講義が始まりました。
Q.具体的にはどんなことを学ぶの?
日本酒の奥深さを知識として理解することを目的とした講義を行っています。日本酒造りの基礎はもちろん、文化や歴史、販売、流通、さらには健康との関係に至るまで幅広い講義があります。日本酒を多角的に学ぶことで、その知識・教養を身に付け、日本酒の奥深さや魅力を国内外に発信できる人材を育成していきたいと思っています。
Q.新潟の日本酒が美味しい理由は?
新潟清酒の美味しさは、良質な米、水、人からきています。新潟は昔から有数の米どころとして知られ、良質な水も豊富でした。さらに、新潟には「越後杜氏」と呼ばれる杜氏集団がおり、多くの杜氏を輩出してきたこの地域では、複雑な日本酒造りをしっかりと伝承してきました。それに加え、菌の育成がコントロールしやすい寒い気候が酒造りに最適だったんです。こういった背景から、新潟は国内トップの蔵元数を誇っており、上質な日本酒が生産されているのです。
新潟大学 岸保行准教授(にいがただいがく きしやすゆきじゅんきょうじゅ)
新潟大学経済学部・准教授。2012年に新潟大学に着任し、人的資源管理論を担当している。新潟の文化的資源である日本酒の魅力を国内外に発信するプロジェクトを創案し、新潟大学と新潟県酒造組合、新潟県の提携による「新潟大学日本酒学センター」の立ち上げに携わる。