酒のためならどこへでも!
東海オンエアゆめまるの「のんべえ日記。」第10話
人気動画クリエイター・東海オンエアのゆめまるさんと旅する酒連載。第10話は原点に立ち返り、地元・愛知県の地酒を味わうことに。ここでしか飲めない限定のお酒があると聞き、日本酒専門の立ち飲みバーへやって来ました。ゆめまるさんと地酒との新たな出合いはどんなものになったのでしょうか?
撮影/芹澤裕介▶▶▶第10話―地元・愛知での新たな出合い―
こだわり抜いた純米酒専門の立ち飲みバー
「のんべえ日記。」第9話に引き続き愛知県で飲み旅をするゆめまるさんが訪れたのは、「純米酒専門店YATA 伏見店」。愛知県を中心に展開している純米酒専門の立ち飲みバーです。
今回はここで地元・愛知県の地酒を味わうことに。YATA伏見店スタッフの山下さんが、ゆめまるさんのためにおすすめの愛知県の地酒をセレクトしてくれました。
地元・愛知のお酒で乾杯!
今回山下さんが用意してくれたお酒はこちらの4種類。左から、「奥」(山﨑合資会社/西尾市)、「ドアラと二兎」(丸石醸造/岡崎市)、「義侠 玉鬘」(山忠本家酒造/愛西市)、「義侠 花散里」(山忠本家酒造/愛西市)。
山下さん)「ドアラと二兎」はYATAの代表・山本将守がプロデュースした、二兎という日本酒と中日ドラゴンズのコラボ商品です。それから「義侠」の2つは、山本と蔵元さんが「義侠をアッサンブラージュ(ブレンド)したらどんなお酒ができるだろう」と話したことからコラボすることになり、生まれた商品なんです。どちらもYATA系列店でしか飲めないお酒となっています。
ゆめまる)めちゃくちゃ貴重なお酒じゃないですか! これはどんな味かかなり気になります。ということで早速……いただきます!
1杯目は「ドアラと二兎」
ゆめまる)初めて飲む味のにごり酒。見た目よりもパンチが効いている味ですね。うまい!
山下さん)弊社の代表と「二兎」の丸石醸造さんとで意見交換を重ねて作った、自信作です。実は酒屋さんへ卸しているのもうちだけで、パッケージには弊社の代表の名前も入っているんですよ。
ゆめまる)なるほど、試行錯誤して作られたお酒って感じの味がします。「ドアラと二兎」は初めてなんですけど、実は二兎は「のんべえ日記。」第4話で訪れた「びじゃぽん」というお店で飲んだので知っていました。横浜のお店だったのに、あの日たまたま二兎があって、店主に「岡崎の日本酒ありますよ!」って言われたときはテンション上がったな~。あのあと、丸石醸造さんの前まで行ったんですよ。また出合えてうれしいです。
2杯目は「奥」
ゆめまる)お~、これは……ザ・日本酒って感じの味! 合わせるならお刺身かな。
山下さん)どちらかというと、最初の方に飲むのにおすすめのお酒です。西尾市の山﨑合資会社という蔵元のお酒なんですよ。
ゆめまる)へぇ~、西尾市に酒蔵があったんですね! 初めて知りました。日本酒って、いつまでも新しいお酒に出合えるから楽しいですよね。例えばある酒屋さんに置いてあるお酒を全部試飲したとして、別の酒屋さんに行ったら、そこにあるお酒は知らないものばかりなんですもん。お酒って、平気でそういう気づきがありますね。
3杯目は「義侠 花散里」
ゆめまる)これ、めちゃくちゃ飲みやすい! 香りがフルーティですごく良いし、旨味もしっかりしていますね。
山下さん)はい、花散里は3種類のお酒をアッサンブラージュしていて、香りがとても良いのが特徴なんです。日本酒が苦手な人でも飲みやすいと思いますよ。
ゆめまる)晩酌にずっと飲んでいたいです。逆に「ドアラと二兎」や「奥」は味にパンチがあって印象に残るので、誰かにプレゼントするのにいいかも知れないなあ。僕はよく、友人や知人へのプレゼントを選ぶときに酒屋さんに行くんですけど、ここにもお酒が買えるショップがあるんですよね。
山下さん)はい。全国のさまざまなお酒を購入していただくことができますよ。メジャーなものよりも、ちょっとニッチな銘柄が多いですね。
※現在は店舗が移転して、ショップはありません
ゆめまる)そういう、地元ならではのニッチお酒をもっと知っていきたいです。特に人に何かをプレゼントするときって、どこでも買えるものよりも地元のものを選ぶようにしているんです。それが地元への還元にもなると思いますし。酒屋さんに相談していろいろとお話聞きながら自分でも試飲して、それで決めるので、何度も足を運ばないと良いものがわからないんですよね。だから地元の酒屋さんには定期的に通っているんですよ。
4杯目は「義侠 玉鬘」
「義侠 玉鬘」は山下さんおすすめのおつまみ・魚の干物とともに味わいました。魚はその日の仕入れによって種類が変わりますが、この日は銀鱈。
山下さん)玉鬘は熟成年数の違う4種類のお酒をアッサンブラージュしています。熟成させたお酒を使っているので、色がちょっと黄色いんですよ。
ゆめまる)なるほど~。古酒ってクセが強いイメージですけど、飲みにくさも全くなくておいしいです。花散里と同じで香りがすごくいい! 魚の干物との相性もばっちり。
山下さん)ぬる燗で飲むとより楽しめると思いますよ。よかったら召し上がりますか?
ゆめまる)えっ、いいんですか⁉ もちろん、いただきます!
ゆめまる)ちょっとこれ……うますぎませんか? 冷で飲んだ時よりも燗で飲む方が、味の個性が出ていて好きです。
山下さん)燗にすることで味が変わりますよね。
ゆめまる)こんなに変わるとは、衝撃ですね。「作(ざく)」というお酒を飲んだ時もおいしすぎて衝撃を受けたんですが、それくらいの衝撃。
山下さん)三重県鈴鹿市にある清水清三郎商店の日本酒ですね。当店でも扱っています。伊勢志摩サミットの乾杯酒にもなったんですよね。
ゆめまる)そうそう、伊勢志摩サミットで有名になったお酒! ハタチそこそこの頃、人生で初めての行きつけのバーでマスターに飲ませてもらって、「日本酒ってこんなにうまいんだ!」って感動しました。
山下さん)そのバー、すごいですね。「作」を扱っているお店って、かなり限られているんですよ。
ゆめまる)へー! そうだったんだ! 1合というレベルじゃないくらいたくさん飲ませてもらったんだけど……貴重なお酒だったとは(笑)
ゆめまる)いや~ほんと、酒がうますぎる! こういう地元のお店でおいしく飲ませてもらっていると、やっぱりもっとお酒のことを知りたいし、自分にとって飲んでいる時間が大切なんだなと思いますね。今年結婚をして子どももできて、今までよりもお酒を飲む時間を取ることが難しくはなったんですけど、家族との時間も、仲間とお酒を飲む楽しい時間もどっちも大切にしたいと思っています。奥さんや子どもがいるから飲みに行けないって断るのは簡単です。そして、それは誰も責めることができない「正義の言い訳」です。僕はそれを極力使わないようにしたいんですよ。だから、家のことも絶対におろそかにしないし、飲み仲間のところへも駆け付けます。どっちも大切にしないと、人生楽しくないじゃないですか。
併設のショップでお買い物
最後に、併設されていたショップでお買い物。店内には全国のさまざまな地酒が並びます。入荷のタイミングが合えば、お店で飲んだお酒を買って帰ることもできるそう。ゆめまるさんの今回のお気に入りは「ドアラと二兎」と「義侠 花散里」。そのほかのおすすめについても山下さんに聞きながら、じっくりと日本酒を吟味して購入していました。
※現在は店舗が移転して、ショップはありません
地酒を味わいながら、お酒や結婚後の飲み方について語ってくれたゆめまるさん。今回もぐいぐいお酒が進み、最後はすっかり酔っ払いに。地元・愛知にも今まで飲んだことがなかったお酒があると知り、日本酒の奥深さを知りました。今後はどんな新しいお酒に出合えるのでしょうか? ゆめまるさんの飲み旅はまだまだ続きます。
本日の酒場「純米酒専門店YATA 伏見店」
米と米麹のみで醸された「純米酒」をよりおしゃれに、気軽に味わえる立ち飲みスタイルの日本酒専門バー。単品は1杯500円、利き酒コースは1時間2,000円で全国のさまざまな地酒を楽しめます。好みのお酒をお店のスタッフに相談しながら探せるほか、日本酒のテイスティングセミナーなどのイベントも定期的に開催しています。
店名/純米酒専門店YATA 伏見店
住所/愛知県名古屋市中区栄1丁目6−7 ラスター伏見2F
電話番号/052-201-3534
営業時間/17:00~22:30(L.O22:30)
定休日/日曜日
※11月より上記住所へ移転。撮影は移転前の店舗。
ゆめまる / 東海オンエア
愛知県岡崎市を拠点に活動する6人組動画クリエイター「東海オンエア」のメンバー。てつや、しばゆー、りょう、としみつ、ゆめまる、虫眼鏡からなるグループ。個性溢れるネタ動画を中心にさまざまなジャンルの動画を投稿し、人気を集める。2016年には「岡崎観光伝道師」に任命されるなど活動の幅を広げている。また、ゆめまるは2020年に自身のアパレルブランド「Bark at the Moon」も立ち上げた。メンバーの中ではかなりのお酒好きとして知られている。