スタイリスト平健一さん直伝!
ベランダを居酒屋風にスタイリング
自宅のベランダやバルコニーで、ちょっとグラマラスなキャンプ=グランピングを楽しむスタイルが今人気です。今回はアウトドアに精通したスタイリスト、平健一さんが、“男前女子”の代名詞ともいえるモデルの「やっこさん」に合わせて居酒屋風スタイリングを提案します。
Photo/RYO HANABUSA Text/MAYU SHINOHARA・YASUFUMI SHINTAKU(Tokyo Pistol Co., Ltd.)今回のベランダ飲み。スタイリングのテーマはあるのでしょうか。
「居酒屋気分になれるベランダということでいぐさのラグなど“和”の要素も入れつつ、全体的には女性らしく、明るく・ポップというところを目指しました。その中でも可愛すぎない、大人っぽさを心がけたスタイリングにしています」
家のベランダが、こんなに癒しの空間になるんですね! 一から始める場合、どこから手を付ければいいでしょう?
「まずはラグを入手しましょう。全面ではなく、一部に敷くだけでも雰囲気が変わります。次にテーブルと椅子を。家にあるものを外に出してもいいのですが、大事なのは高さ。テーブルがローかハイかで椅子やその他に置くインテリアも変わってきますよ。また、テーブルが小さければサイドテーブルを置いてもいいですね。テーブルにクロスを敷くのも暖かみが出ます」
確かに、暖色を取り入れるとグッと秋冬仕様に! クロスなら手軽に色々揃えられますね。
「色味でいうと、ブランケットをいくつか用意するのもおすすめです。防寒対策にもなるし、椅子などにかけるだけもお洒落になります」
個性的なアイテムの数々も気になります。特に気になるのはやっぱり空中でくるくる回る不思議な『空中盆栽』ですね。
「室内のグリーンはエアプランターやサボテンが流行りですが、僕が気になったのは和の雰囲気を出せて、器のセレクトによっては洋にもなじむ盆栽。ベランダに不思議な盆栽を置いて、お酒を飲みながらランタンを灯している、そんなシチュエーションもいいなあと思ってセレクトしました」
モデルの倉本さんが盆栽とランタンもとても気に入られていました。
「“カンテラ”とか“安全灯”とも言われているランタン。かつては洞窟炭鉱や海でも使われていたものなので、風が吹いても大丈夫。ひとつ置くだけで雰囲気がぐっと良くなるので、ベランダ飲みにはおすすめですね。ぬくもりを感じるマグなどの食器も、モダンなデザインならテーブルに置いておくだけで彩りになりますよ」
よくキャンプに行かれる平さんにとって、ベランダ飲みの良さってどんなところなんでしょう?
「自分がやりたいと思ったら、すぐにできる点ですね。遠くまで行くとなると交通手段や渋滞のこと、荷物のことなど、どうしても考えなければいけないことは増えます。ベランダなら、平日でも帰ったらすぐに自分の時間を作ることができる。お部屋で使っているイスやソファーを外に出して、いつでも気軽に外の空気を感じられるところが魅力ですね」
倉本 康子(くらもと やすこ)
1974年9月30日東京都生まれ。雑誌『STORY』(光文社)などでファッションモデルとして活躍。史上初のインテリアモデルとしても幅広く活動し、"時短" "HAPPY" "ラクチン" を掲げた収納術やインテリアで、女性からも絶大な支持を集める。現在は、BS‐TBSで放送中の『おんな酒場放浪記』にもレギュラー出演中。著書に『30分で女子力アップのインテリア&収納術』(朝日新聞出版)、『類とヤッコの東京二人で酔える居酒屋50』(光文社)など多数。
平 健一(たいら けんいち)
登山やキャンプなど、アウトドアアクティビティに精通するスタイリスト。雑誌や広告、アーティスト等のスタイリング他、最近はグランピングや住宅展示場のファッションだけでなくインテリアスタイリングやプロデュースも多い。