魅力を知ればもっと美味しく味わえる
自分好みのクラフトビールが知りたい!

第3次ブームといわれ注目を集める「クラフトビール」。国産のクラフトビールが登場して約25年、種類や個性も豊かになりました。基礎知識と共にそれぞれの魅力を知って、自分好みのビールを見つけましょう。

監修/Kazumasa Nakamura(Echigo Beer Co.,Ltd.) Text/Sachiko Tsuchiya

ビールは大きく2つに分けられる!

エール系

ビールの主原料である麦芽・ホップ・水と、「エール酵母(上面発酵酵母)」を使用。香り豊かで、味わい深くなるのが特徴です。フルーティーな香りを持つものが多く、バリエーションが豊富。

ラガー系

日本で一般的なのは、ラガー系。「ラガー酵母(下面発酵酵母)」を使用し、発酵後に低温で長期熟成するため、シャープな飲み口に。雑味のないクリアな味わいを楽しむことができます。

おさえておきたい6つのスタイル

[STYLE01] 
イギリス生まれの人気者 
ペールエール

イギリスのパートン・オン・トレントという小さな町が発祥の地といわれています。“ペール”は淡いという意味で、濃色のビールが中心だった18世紀にブロンズ色に輝く澄んだペールエールは斬新だったとか。華やかな香りが際立つので、冷やし過ぎないのがコツ。

● アルコール度数/4.5~5.5%程度
● 飲みやすさ/ビターなビール好きにおすすめ
● 有名な銘柄/「フラーズ ロンドン プライド」や「バス ペールエール」

[STYLE02] 
日本人がもっとも親しむ 
ピルスナー 

1842年にボヘミア(現在のチェコ共和国)のピルゼンで生まれた黄金色のビール。世界初の“金色のラガービール”と言われており、ホップの効いた爽快な味わいと香味、苦味が特徴です。世界で最も普及しているビールはこのピルスナーで、日本人にとっても馴染み深いスタイルです。

● アルコール度数/4~5%程度
● 飲みやすさ/一般的なビール好きにおすすめ
● 有名な銘柄/「ピルスナー・ウルケル」

[STYLE03] 
香ばしい黒系ビール 
スタウト

ホップ・麦芽の香味が強く、クリーミーな泡で濃厚な味わいが特徴の黒系ビール。「ポーター」というイギリスのエールの一種がアイルランドに伝わり、ギネス社によってアルコール強化されたスタウトポーターが元祖となっています。

● アルコール度数/5~6%程度
● 飲みやすさ/濃厚なビール好きにおすすめ
● 有名な銘柄/「ギネス エクストラスタウト(ドライスタウト スタイル)」

[STYLE04] 
香りと苦みが際立つ 
IPA 

IPAは「インディアペールエール」の略で、イギリス発祥のビールです。インドがイギリス領だった時代に船でペールエールを運ぶ際、腐るのを防ぐため大量にホップを加えたのがIPAの始まりだとか。近年は、アメリカ産のホップを使用するアメリカンスタイルIPAも人気です。

● アルコール度数/4.5~7.5%
● 飲みやすさ/ビール通におすすめ
● 有名な銘柄/イギリスの「ブリュードッグ パンクIPA」

[STYLE05] 
爽やかで柔らかな味わい 
ホワイトエール 

伝統的なホワイトエールは、ベルギースタイルになります。ヒューガルデン村に古くから伝わる小麦のビールで、白濁しているのが特徴です。麦芽やホップ、小麦のほか、コリアンダーやオレンジピールなども使用するので、スパイシーでフルーティな風味を楽しめるビールになります。

● アルコール度数/4.8~5.5%程度
● 飲みやすさ/ビールが苦手な人も試してほしい
● 有名な銘柄/ベルギーの「ヒューガルデン(ベルジャンホワイト)」

[STYLE06] 
果実味あふれる甘み 
フルーツビール 

醸造の途中で生のフルーツや濃縮果実、エッセンスを加えて造ったビール。ベルギーのランビックにチェリーを加えたクリークランビックなどが世界的に知られています。酒税法により、日本ではビールに分類されないのですが、発泡酒や発泡性酒類として扱われています。

● アルコール度数/低めの商品が多い
● 飲みやすさ/ビール初心者にもおすすめ
● 有名な銘柄/ベルギーの「リンデマンス・カシス」や「ブーン・フランボワーズ」

クラフトビールと缶つまを持ち寄って
ホテルで旅するおこもりステイ

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